さて、これまでのおさらい。ランチェスター法則とは「質と量」というたった2つのもので表され、それが第一法則、第二法則というたった2つの法則で表されるというところに特徴があります。
- ランチェスター第一法則が適用されるのは「局地戦、接近戦、一騎討」
- ランチェスター第二法則が適用されるのは「広域戦、遠隔戦、集団の戦い」
第一法則は狭いところで刀で戦うイメージで、第二法則は広いところでマシンガンで戦うイメージです。
そして、第二法則の時には「兵力数の二乗」というのがキーポイントになるということをお伝えしてきましたね。
結論:数が多い方が有利。だけど…
要するに結論として何が言いたいかというと、兵力が多い方が勝つということなんです。
兵力が少ないなら第一法則で戦いなさいよ。
兵力数が多いなら第二法則で戦いなさいよ。
というのがランチェスター法則の結論なんですね。
つまりビジネスに置き換えれば、社員数が多い方が勝ちやすくなっちゃうんです。大企業の方が勝ちやすいよっていう話なんですね。
つまり中小企業で、あまり力がないのであれば第二法則であるとコテンパンに負けてしまうので、第一法則で戦いなさいっていう結論になってことですね。
兵力数が少ないなら第一法則で戦う。
兵力数が少ないなら第一法則で戦うっていうのが結論なんです。つまり弱者と強者の戦い方同じではないということが非常に大事なんです。これは逆に言えば弱者でも戦い方のコツを掴めば強者に勝てるんですよっていう話なんです
「じゃあその戦い方のコツって何よ」って話なんですけど、その場合には競合局面を選ぶということなんです。
一向二裏、宮本武蔵
ランチェスター法則そのものを表すお話が日本にもあります。
まず「一向二裏」は赤穂浪士の討ち入りのときに山鹿素行(やまがそこう)が伝授した考え方なんです。
例え、敵が1人だとしても3人で戦えと。1人が面と向かって2人が後ろに回りなさい。そうすればどんな強い相手でも勝てるんです、ということなんです。
スポーツチャンバラのお話なのですが、剣道の有段者が一人いても小学生ぐらいが3人いるとひとりが面と向かっていて2人が後ろにいるとやっぱり有段者が負けるんですね。
もう一つが宮本武蔵。
宮本武蔵があるときに10人以上の人に囲まれて戦いになったとき、宮本武蔵はどうしたと思いますか?
あぜ道に入ったそうなんですね。
なぜかというとあぜ道は1対1で戦えるわけです。1対1の局地戦を選んだというのが宮本武蔵の戦い方。つまりランチェスター的な戦い方だったというお話です
赤穂浪士は局地戦で3:1での戦い方をしました。
そして宮本武蔵は第一法則、つまり数で負けているので1対1で戦える環境を整えました。
ランチェスター氏が戦略として体系化するはるか前のお話ですが、日本でも実践していた人たちがいたのですね。
坂上仁志公式youtube動画の「宮本武蔵、赤穂浪士から学ぶランチェスター法則の適用場面とは?」より
動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。