ランチェスター戦略、3つの結論。1点集中主義の中でも地域戦略について2つの企業事例を交えてお伝えします。
エリアを広げない:ドミナント主義とは?
これは、あれもこれもやると上手く行かないよと、だからあれもこれもやるのはやってないのと一緒なんだということをランチェスターではよく言っています。
したがって、あれもこれもではなく、あれかこれか、これだけそれだけ、という1点集中でやるといいよということをランチェスターでは言っています。そして、その中でドミナント主義というのがありまして、これは手を広げない、エリアを広げないということなんです。
近いと移動時間が少ないので非常にいいんですね。その例として、宅急便と平和堂さんというのがあるので、この事例をちょっとお話させていただきます。
宅急便は右折をしない?
宅急便は局地戦です。右折しない、1日3便。どういうことかと言うと、宅急便というのは、例えばどこでもいいんですけど、赤坂1丁目ですか、なんでもいいんですけど、なんとか1丁目となったら、1丁目だけとか1丁目と2丁目だけとかをやるんですね。
そうすると配送する人が実際に移動の距離が短くて済むんです、少なくて済むんです。なので非常に効率がいい。
そして宅急便は右折しないっていうんですけど、どういうことかと言うと、例えば信号待ちで右折すると、カッチンカッチンとか言って10秒待つ。
1日10回あるとすると、それで100秒失うわけですね。それが日本中にある10万台のトラックで起こると、それこそ1人が1か月とか2か月働く労働時間に匹敵する、つまりそこで時間を失うことをなるべく避ける。
なので左側にぐるぐる回りながらやっていくという話を聞いたことがあります。絶対に右折しないかって言いうとそんなことはないと思いますけど、でもなるべく効率をよくするために右折しないように宅急便が配送しているんだという話ですね。
そしてさらに、宅急便というのは1日3便ありまして、朝便、昼便、夜便みたいに1日3回まわるんですね。
宅急便で、実は私はAmazonとかで本をすごくよく買うもんで、年間200~300冊とか買うことがあるので、宅急便の方とも仲良くなっちゃうんですけど、その人に聞くと、だいたい1日に200件とか100件~200件回ると。年末年始は1日300件とか。いいですか、1日300件回るんですよ。というような仕事をやっているわけです。
多くの会社の営業マンが1年間に300件も訪問してないってことよくある思うんですけれども、全く別ですよね。特に遠いところに営業に行くとかになると、訪問件数って当然減っちゃうんですね。そうではなくて、なるべくエリアを狭めて、移動時間を減らして訪問件数を増やすというのが非常に良いやり方の1つだということです。
地域密着の平和堂
どこの会社でも絶対出来るかというとそうではないかもしれない。でもなるべくそれを意識して、移動時間を減らし、距離を減らすというものをやるといいですよということをお伝えしております。
同じように平和堂さん、滋賀県の駅前にあります。滋賀県にいらっしゃる方、そうだそうだと言ってもらえると思うんですけど、地域密着なんです。
そうすると、平和堂といえば滋賀県で有名。そうすると認知が高い。買物ならあそこ、パートさんもそこで採用しやすい。Aというお店で人が足りないとなったら、Bという店がすぐ近くになるので移動がすぐ出来るという、こういう感じですね。
ところが多くの場合、何にしましょうか、大阪でラーメン店をやりましたと。3店舗やって上手く行ったから東京で1店舗出すんだっていうのって、すごく無駄が多いというか負けるパターンなんです。
なぜならば、東京で採用することも難しければ、東京で人が熱出して休んだとかいう時に、大阪から移動してその日だけ対応するって難しいですよね。
そうではなくて、やっぱりドミナントでその地域に何店舗か展開していれば、A店がダメでも次の隣のB店、100m先の店から人を補充するとかができるっていう、こういうやり方にしておいた方が経営効率がいいですよということです。
まとめ
3つの結論、No1主義、足下の敵、1点集中。この1点集中の中のドミナント主義の件ですね。手を広げない、得意に特化、3倍やる。その中でもドミナント、広げない、近いから移動時間が少なくて済む。そして宅急便と平和堂。宅急便さんと平和堂さんの例をお話させていただきました。1点集中とは分散させないこと、狭く、深く、濃くやることというふうに申し上げております。
坂上仁志公式youtube動画の「宅急便と平和堂さんに学ぶ一点集中主義とは?」より
動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。